シリルホウ素化C–Cカップリング反応
白金触媒の存在下、シリルボラン、1,3-ジエン、およびアルデヒドの3成分カップリングが効率よく進行し、ボリル基を有するホモアリルアルコール誘導体がsyn選択的に生成することを明らかにしました。[Ref. 1] σ-アリル白金錯体が鍵中間体として形成されていると考えられます。
触媒的ヒドロアルキニル化
遷移金属触媒の存在下、末端アルキンのC-H結合はアルキンの炭素-炭素三重結合のみならず、アレンやシクロプロペン、ノルボルナジエンのような反応性の高い炭素-炭素二重結合に付加することが知られています。しかし、反応性の低いアルケンに対する付加は困難であると考えられてきました。私たちは最近、ニッケル触媒により末端アルキンのC-H結合が1,3-ジエン、スチレン、ノルボルネンへ付加することを初めて明らかにしました。[Ref. 2] 反応は室温で進行し、生成物を高い位置および立体選択性で与えます。
関連研究
- 分子内シアノホウ素化
- シアノホウ素化
- アルキニルホウ素化
- トランスメタル化環化カルボホウ素化
- トランスメタル化3成分カルボホウ素化
- ホウ素のマスキングに基づいたオリゴアレーン類の反復カップリング合成
- 不斉重合
参考文献
- Ref. 1
- Platinum-Catalyzed Silaborative Coupling of 1,3-Dienes to Aldehydes: Regio- and Stereoselective Allylation with Dienes through Allylic Platinum Intermediates M. Suginome, H. Nakamura, T. Matsuda, Y. Ito, J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 4248-4249, 10.1021/ja980373o
- Ref. 2
- Nickel-Catalyzed Addition of C-H Bonds of Terminal Alkynes to 1,3-Dienes and Styrenes M. Shirakura, M. Suginome, J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 5410-5411, 10.1021/ja800997j
Last-modified: 2009-01-21 (水) 18:02:04 (5178d)