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有機ボロン酸およびその誘導体を用いた多くの有用な分子変換手法が確立され、有機合成における有機ホウ素化合物の重要性はますます高まっています。私たちは、さまざまに官能基化された有機ボロン酸誘導体の合成を、新しい触媒反応によって実現することを目指しています。そのひとつは、ボリル基と官能基が同時に有機分子に導入される新触媒反応の開発です。以下には、カルボホウ素化とシリルホウ素化に代表される、私たちがこれまでに明らかにした触媒的ボリル化反応を紹介します。

直接カルボホウ素化:シアノホウ素化およびアルキニルホウ素化

カルボホウ素化は、ボリル基と有機基を不飽和有機分子に単行程で導入する反応であり、複雑な構造の有機ホウ素化合物を効率よく合成する有効な手法になりうることから、特に重点的に研究を行っています。私たちはまず、パラジウム触媒によるアルキンのシアノホウ素化を開発しました。[Ref .1] この反応は、触媒的カルボホウ素化の初めての例です。次に、アルキニルボランのC–B結合が炭素–炭素三重結合にシス付加する、アルキニルホウ素化を見出しました。[Ref. 2] これらのカルボホウ素化反応は、遷移金属触媒による炭素–ホウ素結合の活性化と、これにより生じた遷移金属–ホウ素結合へのアルキンの挿入を経て進行していると考えられます。生成したアルケニルホウ素化合物は、多置換アルケンや共役アルケンの合成中間体として有用です。

cyanoboration80.jpg
 
alkynylboration80.jpg
 

トランスメタル化3成分カルボホウ素化

トランスメタル化カルボホウ素化の開発にも成功しています。[分子間反応 Ref. 3; 環化反応 Ref. 4] この反応では、クロロボランからボリル基を、有機スズや有機ジルコニウムのような有機金属反応剤から有機基を、それぞれ基質に導入することができます。これまで触媒反応に全く利用されていなかったB–Cl結合の活性化が、触媒サイクルの鍵過程となっています。

transmetallative three-component carboboration80.jpg
 

関連研究

参考文献

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Last-modified: 2009-01-21 (水) 18:02:04 (3191d)