Research Overview
ピラー[n]アレーン:合成・反応性・キラリティー
我々は柱状であり芳香環から構成される新規環状ホスト分子を“ピラー[n]アレーン(nは繰り返し数))”と名付け、2008年に報告しました。官能基化、面性キラリティーなどピラー[n]アレーン特有の性質を明らかにしています。
ピラー[n]アレーンを基にした分子空間化学
私たちは、ピラー[n]アレーンの優れた対称性を利用し、1、2及び3次元にピラー[n]アレーンを並べることで分子空間を有した材料を作り出しています。
ピラー[n]アレーン化学を構造有機化学の観点で
ピラー[n]アレーンはホスト機能が注目されがちですが、π電子を持った大環状分子としての分子構造や電子状態に着目した研究、環本体への化学修飾による非従来型分子の開拓を行っています。
π縮環プロペランを立体骨格として利用する
ベンゼン環とsp3炭素が交互に連なった[1n]パラシクロファンの一種であるピラー[n]アレーンに限定せず、他の立体π共役骨格についても構造・配座や立体特有の機能を調べています。
長寿命リン光発光高分子材料
我々は、安価な市販高分子、ポリスチレンスルホン酸(PSS)を乾燥すると、室温・大気下で1秒を超える長寿命リン光を示すことを偶然見出しました。高分子であることから、異種材料とのハイブリッド化やブロックポリマー化などの多様な設計が可能となり、リン光を示す全く新しい材料の創出が期待できます。
ヘテロ元素を導入した大環状分子の合成と機能開拓
我々はピラー[n]アレーンに更なる機能性の付与を目指して、ピラー[n]アレーン骨格中にヘテロ元素を導入した環状分子の創出を行っています。ヘテロ元素の導入によって、光学的な性質の変化や元素の性質に由来した分子認識能、分子集合体の構造制御など様々な物性・機能の発現が期待できます。