研究目的

 
化学の世界は、シュレーディンガー方程式とディラック方程式を始めとする量子力学の原理によって支配されている。本研究では、これらの基礎方程式を直接解くことを可能にする方法を研究すると共に、これら量子力学的原理に含まれる高度な予言能を、いろいろな化学現象のレベルで引き出すことを目的としている。このような立場は単に経験に基づく方法論とは一線を画するもので、意外性のある真に革新的な成果を着実にもたらす、理論化学研究の王道である。

 主要なテーマとして、以下の6項目を重点的に研究する。


1. 量子化学基礎理論の精密化と再構築
2. ファインなスペクトロスコピーと
       反応の量子ダイナミックス
3. 巨大分子系に共通する電子状態理論の構築
4. 生体反応系の電子論とダイナミックスの解明
5. 凝縮系における反応の電子論とダイナミックス
6. 表面ー分子相互作用系と触媒反応の電子論