論文紹介アーカイブ

2005年

Shimizu, S. et al. J Physiol. (2005). 570, 219-235

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イノシトールリン脂質代謝回転に連関した受容体の刺激により活性化されるTRPC5チャネルを介したCa2+流入がcalmodulin (CaM)の阻害、CaM依存的myosin light chain kinase (MLCK)の阻害により抑制されることを見出した。MLCKの阻害によりTRPC5が形質膜上から細胞質内に移行すること、また基底状態におけるMLCのリン酸化レベルがMLCKの阻害により減少することが明らかとなった。以上のことより細胞内Ca/CaMがMLCKを恒常的に活性化させ、MLCのリン酸化によりTRPC5が形質膜上に局在しチャネル活性を維持していることが明らかとなった。

Lievremonto, J.P. et al. J. Biol.Chem. (2005). 280, 35346-3535

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TRPC7は非選択的カチオンチャネルである。TRPC7は強制発現系において、細胞内ストアの枯渇による活性化あるいは、受容体刺激により産生されるジアシルグリセロール (DAG)による活性化をうけることが知られている。本研究では、TRPC7をノックアウトしたDT40細胞を作製することで、内在的TRPC7の活性化機構を明らかにした。TRPC7-KO細胞において、ストア作動性カルシウム流入およびIcracは観察た。一方、B細胞受容体刺激、PAR2刺激、GTPgSおよび膜透過型DAGアナログであるOAG刺激によるカルシウム応答は観察されなかった。これらのことからTRPC7はDT40においてはDAG活性化チャネルを構成していることが明らかになった。