論文紹介アーカイブ

2001年

Ino, M. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA (2001). 98, 5323-5328

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N型α1Bノックアウトマウスを作製し、本マウスにおいて交感神経機能が選択的に損なわれていることをあきらかにした。ところが、意外にもN型ノックアウトマウスにおいては、受容体により惹起される動脈収縮が亢進されていた。このことから、交感神経終末からのアドレナリン分泌制御を介して、後シナプス側の心筋の拍動制御に重要な遺伝子群の発現を、N型Ca2+チャネルが調節することが示唆された。

Inoue, R. et al. Circ. Res. (2001). 88, 325-332

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TRP6電流はG蛋白質共役型受容体の活性化により惹起され、過分極側及び逆転電位付近での抑制、細胞外Ca2+や一般的には阻害剤として使われるflufenamateによる増強等、門脈平滑筋に存在するα1-アドレナリン受容体刺激により活性化されるカチオン電流に非常に類似していた。また、門脈平滑筋細胞においてはTRP6が圧倒的に高発現しており、形質膜付近への局在が見られた。さらに、TRP6アンチセンスオリゴヌクレオチド処理によりTRP6タンパク質の発現を抑制すると、α1-アドレナリン受容体活性化カチオン電流およびBa2+流入が阻害された。以上のことから、TRP6が平滑筋の"native" RACCの実体の一つであることが明らかになった。